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柴田 俊明 院長

TOSHIAKI SHIBATA

プライマリケアを第一に、できるだけ多くの解決策を提示
豊富な経験と洞察力で飼い主様に安心の医療を

大阪府立大学卒業後、25年以上の獣医師経験を経て新丸子で新規開業(東急東横線新丸子駅より徒歩7分)。
福島原発事故で犠牲になった動物を救うこともライフワークに

柴田 俊明 院長

柴田 俊明 院長

新丸子ペットクリニック

川崎市中原区/丸子通/新丸子駅

  • ●犬
  • ●猫

東北大震災で気づかされた生命への想い

柴田 俊明 院長

もともと医療には強い関心がありました。ただ成人よりは子どもを対象とする小児科医の方が、よりコミュニケーションや診断で高い能力が必要となり、面白いのではと考えてきました。そして受験の準備を整えていくうちに、「小児同様、コミュニケーションを言葉に頼らない動物だったらどうだろう。しかも獣医だと、診る臓器の種類や動物の種別を分けて診療していないので、より“生き物”全般の仕組みを包括的にとらえやすいのではないか....」という興味がふつふつと湧いてきました。結果的に獣医師の道を進むことにしました。

最初に開業した動物病院では、病院施設や設備を充実させることに心血を注いできたような気がします。当時私の決めていた定年は55歳。そこまではとにかくがむしゃらに働き、ひと通りできることはやったからと、いったんはその病院を若い先生に引き継いでいただき獣医師の職を辞しました。

ところがリタイヤしてのんびり....というのが性に合わないようで、時間を持て余してしまっている自分がいました。そんな折東北で大きな震災があり、その後東京電力福島第一原子力発電所で大事故が発生。炉心溶融の影響で発電機と周辺施設が大破し、大気中に放射性物質が大量に放出されたのです。着の身着のまま逃げ惑う人々をテレビで観て、すぐに彼らと生活を共にしてきた動物の存在が気になりました。そしてペットだけでなく、農家が手塩にかけて育ててきた大動物(牛・豚・馬など)も汚染地域に取り残されたことを知り、胸が張り裂ける気持ちになりました。

知り合いを通じてボランティアとして現地大動物のケアをしているうちに、再び獣医としてひとつでも多くの命を救っていく決意が固まってきました。獣医師免許を持っているのに、目の前で困っているものを救わないわけにはいきません。そして今から4年半前の2014年に新丸子の住宅地で、心機一転再スタートを切りました。

街中の動物病院は一次病院であるべき

柴田 俊明 院長

現在は、あまたある動物病院の中から当院をお選びいただき、信頼して動物を預けてくださる飼い主さんの気持ちにできるだけお応えしたい一心です。それは最初の病院で設備などに気をとられすぎていた自分への反省であり、また原発事故で理不尽にも命を落とした動物への悔恨の想いからです。もはや還暦を過ぎたわたしにとって、現在の動物診療は「ライフワーク」なのです。

そこで新しい病院でどのような診療をしていくべきか考えたとき、やや過剰診療ぎみの様相を呈している動物病院の在り方を見直そうと思いました。わたしはもともと、街中の診療所はプライマリケア(一次診療:身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療)を提供するもので、専門医とは異なる位置づけのものだと考えています。

一次診療としましては、まず疑われる疾病を診断しその解決策を出すわけですが、解決策は必ずしもひとつではありません。治療費や治療にかかる期間にはさまざまなバリエーションがあるため、そこは飼い主さんのご事情とご相談することになるわけです。このことが不十分であると納得されない飼い主さんが次々とほかの動物病院を訪れ、それぞれの場所で出される解決策に惑わされながら「医療難民」となるわけです。当院はプライマリケアを重視し、できるだけ多くの解決策を提案し飼い主さんとの話し合いを大切にします。そして緊急性や専門性の高い疾病につきましては、信頼のおける二次診療施設をご案内しますので、どうかご安心ください。

福島の牛を「原発事故の生き証人」に。

柴田 俊明 院長

大学院で研究をしていたときは、実験動物にたくさんふれていました。そのときそれは医療のために「仕方がないこと」として納得してたように思います。しかし東北の原発事故で多くの動物が死んでいくことを知ってショックを受け、生きるすべての命の尊さという気持ちが日に日に強くなりました。

その後政府からは「放射能汚染された動物は現地で殺処分するように」という通達が出て、牛舎に取り残した牛を断腸の思いで手にかけた農家さんの話を聞きました。一方猫を救うボランティア団体の女性から、「どうしても殺せずに残った牛がいる。わたしたちでは力がなく動かせないので、男性の手が必要。助けてください」という声が上がりました。そして当該の牛舎を訪ねると、牛たちのなかにはまだ元気に生存しているものがいました。産業動物だからといってわざわざ殺す理由がありません。政府は「汚染された動物を別の場所に移すと、そこで汚染が蔓延する」とでも考えたのでしょうか。勉強不足にもほどがあります。

当時の特に女性ボランティアの方々はなかなかしたたかで、政府と対立せずに牛を上手に残していく方策を取りました。「牛が残っている」という既成事実をどんどん積み上げて納得させてしまうという戦略です。当然牧場の環境も彼女たちの手で整備されました。結果、生き残った牛たちは「除草」で大活躍。主人がいない農地は荒れ放題、その雑草を牛がかなりの勢いで食べていきます。そのスピードは人手で草刈りをする速度をはるかに凌駕するのです。確かに牛は内部被ばくで気の毒な思いをするわけですが、生かし続けることで血液や尿を調べて被曝の実態がつまびらかになり、いわば「原発事故の生き証人」というわけです。

原発事故の翌年、「災害後の生態系はどうあるべきかを考える会」を発足し、現在も福島で活動を続けています。この会は 被災した動物たちを『生かすこと』で事実を後世に伝えていくことを主眼としています。人間に貢献していた動物を活かすことが今生きている私たちの責任であり、健全な生態系を復活させることにつながると考えます。

老練医師の特権は五感・六感

飼い主さんに連れられて当院の扉をくぐった動物は、何が目的でやってきたか第一印象で何かを感じることがあります。それはわたしの獣医師のキャリアが築き上げた感覚によるものであり、またセミナーなど勉強会などで習得した理論に裏付けされたものでもあります。70歳を過ぎても獣医師を続けていらっしゃる大先輩の先生方にお聞きしますと、年齢とともにやはり一瞬でわかることが多くなってきたとおっしゃっていました。これが診断の第一段階です。

次に第二段階として飼い主さんの観察力を聞き出すことが重要になります。飼い主さんとは膝を交えて徹底的に話すのですが、どんな小さなことでも聞き逃さないようにしています。聞き取っていくうちに、それが飼い主さんの「思い込み」なのかどうか判断がついてきます。たまにお話と実際の動物の様子がとてつもなくかけ離れているときがあります。またネットで拾ってきた情報を信じ込んでいらっしゃるときもあり、その後の説得が困難なこともあります。しかしこの二つの段階の情報収集が総合的な診断につながります。獣医師としての醍醐味を感じる瞬間でもあります。

先端医療の情報を取り込みながら、万全の準備を

当院を始めるにあたり心がけたことは、待合室を広く取ることでした。飼い主さんと動物がストレスなくお待ちいただけるようにするためです。診察時間もできるだけゆったりお取りするように心がけています。

また診断した疾病を解決するための方策は、できるだけ多くご提示し飼い主さんのライフスタイルや経済事情を十分考慮してお選びただけるようにと考えています。またその選択肢を増やすべく、日夜セミナーで先端医療に関する情報も取り込んでまいりました。スタッフ一同、全員で飼い主さんがご納得いただける医療をご提供すべく努力を重ねてまいりたいと思います。これからもご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

※上記記事は2018年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

柴田 俊明 院長 MEMO

  • 出身地:静岡県
  • 趣味・特技:オートバイ、競馬
  • 愛読書:夏目漱石、早坂暁の著書
  • 好きな音楽:オフコース、ハイファイセット
  • 好きな場所:海

グラフで見る『柴田 俊明 院長』のタイプ

どちらかというと
エネルギッシュで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

どちらかというと
エネルギッシュで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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